住宅ローンが払えないときの選択肢|任意売却と競売の違い、動ける期限
公開 2026-09-13 ワケット編集部

売却額がローン残債を下回ると通常の売却はできない。取れる手は差額を用意する、債権者の同意を得て任意売却する、リースバックで住み続けるの3つ。滞納が進むほど選べる手は減る。期限と手順を整理する。
まず、残債と査定額を並べる
住宅ローンの返済が苦しいとき、最初にやることは金融機関から残高証明を取り寄せ、物件の査定額と並べることだ。ここで状況が2つに分かれる。
- 査定額 > 残債(アンダーローン)… 売却してローンを完済でき、手元に残る。通常の売却で解決する
- 査定額 < 残債(オーバーローン)… 差額を用意できないと、抵当権を外せず売却できない
問題になるのは後者だ。この場合に取れる手は3つしかない。
取れる3つの手
1. 差額を自己資金で埋める
最も単純だが、まとまった現金が必要になる。親族からの援助を含めて用意できるなら、通常の売却として進められる。
2. 債権者の同意を得て任意売却する
抵当権を外すことに金融機関が同意すれば、残債が残ったままでも売却できる。これが任意売却だ。売却代金は債権者への返済に充てられ、残った債務は協議して返済方法を決める。
競売と比べた利点は次の点にある。
- 市場価格に近い金額で売れる可能性がある(競売は一般に安くなる)
- 引渡し時期を交渉できる
- 物件情報が公告されないため、周囲に知られにくい
- 交渉次第で引越費用の配慮を受けられる場合がある
3. リースバックで住み続ける
転居できない事情があるなら、売却後も賃貸として住み続けるリースバックが選択肢になる。ただし家賃が発生し、買取価格と家賃は連動する。長く住むほど負担は積み上がるため、総額で比較する必要がある。複数の業者の条件を一度に比べたい場合は、リースバックの一括査定サービス「家まもルーノ」のような紹介型のサービスもある。
動ける期限は決まっている
任意売却で最も重要なのが時間だ。滞納が進むと手続きは次のように進む。
- 滞納が続くと期限の利益を喪失し、残債の一括返済を求められる
- 保証会社が代位弁済を行い、債権が保証会社や債権回収会社へ移る
- 担保不動産競売の申立て、裁判所による手続き開始
- 入札期間を経て開札
任意売却が可能なのは、原則として競売の開札前までだ。しかも買主を見つけ、債権者の同意を取り、決済まで終える必要があるため、実際にはもっと早い段階で動かないと間に合わない。
滞納してから相談するより、返済が苦しいと感じた段階で相談するほうが、選べる手段は確実に多い。
誰に相談するか
任意売却は債権者との交渉が伴うため、その交渉を扱った経験がある事業者であることが前提になる。通常の仲介では抵当権の抹消交渉まで踏み込めないことが多い。
自社で買い取る業者であれば、買主を探す時間が不要になるぶん、開札までの残り時間が短い場合に現実的な選択肢になる。
なお、任意売却をうたって高額な費用を請求する事業者には注意したい。売主が負担する費用の内訳を、契約前に書面で確認することが必要だ。
住宅ローンが払えないときの任意売却に対応している業者
この記事の内容にあてはまる場合の相談先です。全20社は住宅ローンが払えないときの任意売却のページで比較できます。

任意売却119番
任意売却支援機構株式会社
任意売却支援機構株式会社が運営する、住宅ローン・不動産担保ローンの返済問題の相談窓口です。専属相談員と全国のパートナー(弁護士・司法書士・不動産コンサルタント等)が任意売却やリースバックに対応します。
- 宅建業免許は子会社のライフネクスト株式会社:東京都知事(3)第87700号と記載
- 例年3,000〜5,500件の住宅ローン相談を受けていると記載
- 札幌・東京・名古屋・大阪・長崎に相談センターを掲載
- 任意売却の費用は売却代金から精算する仕組みで、着手時の持ち出しは原則不要と記載
- 年中無休7:00〜23:00で電話相談を受け付け
| 運営会社 | 任意売却支援機構株式会社 |
|---|---|
| 売却の方法 | 仲介・リースバック |
| 対応エリア | 全国 |
| サービス形態 | 相談窓口 |
| 対応する物件 | 任意売却・リースバック・離婚に伴う売却 |
運営会社自体ではなく子会社が宅建業免許を保有しており、案件は全国のパートナー業者が担当する場合があります。実際に仲介・買取を行う会社と費用は依頼前に確認してください。地域によっては対応が難しい場合があると記載されています。
出典: 任意売却119番公式サイト

任意売却エージェント.com
RER Agency株式会社
宅地建物取引業者のRER Agency株式会社が運営する任意売却専門の相談窓口です。住宅ローン滞納や競売開始決定の相談を受け、任意売却やリースバックによる解決を支援しています。
- 宅地建物取引業 東京都知事(3)第94857号(会社概要に記載)
- 2012年に宅地建物取引業免許を取得し、2015年8月に任意売却エージェント.comの運営を開始(運営会社サイトの沿革に記載)
- 所在地は東京都台東区上野。荻窪相談所の電話番号も掲載
- 相談無料・全国対応、年間相談件数1,000件以上と記載
- サポート弁護士・外部相談員の司法書士を公式サイトに掲載し、解決事例にリースバックの事例も掲載
| 運営会社 | RER Agency株式会社 |
|---|---|
| 売却の方法 | 仲介・リースバック |
| 対応エリア | 全国 |
| サービス形態 | 自社買取 |
| 対応する物件 | 任意売却・リースバック・離婚に伴う売却 |
ロゴには「一都三県を中心に全国対応」と記載されており、掲載されている地域別ページは東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城です。遠方の場合の対応方法は相談時に確認してください。
出典: 任意売却エージェント.com公式サイト

任意売却支援センター
株式会社セルバ・プランニング
東京都品川区の不動産会社セルバ・プランニングが運営する任意売却の相談窓口です。債権者との交渉を代行し、親族間売買やリースバックによる住み続けの方法も提案しています。
- 宅建免許番号:東京都知事(8)62639号
- 平成3年12月設立
- 首都圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)を中心に全国対応と記載
- 相談料・コンサルティング料は受け取らず、債権者から配分される仲介手数料を報酬とすると記載
- 契約が成立しなかった場合も費用請求はしないと記載
| 運営会社 | 株式会社セルバ・プランニング |
|---|---|
| 売却の方法 | 仲介・リースバック |
| 対応エリア | 全国 |
| サービス形態 | 自社買取 |
| 対応する物件 | 任意売却・リースバック・離婚に伴う売却 |
対応は首都圏が中心です。公式サイトの新着情報は2023年以降更新されていないため、現在の対応体制は相談時に確認してください。
出典: 任意売却支援センター公式サイト
よくある質問
- 任意売却と競売は何が違いますか?
- 任意売却は債権者の同意を得たうえで行う通常の売買で、市場価格に近い金額で売れる可能性があります。競売は裁判所の手続きで強制的に売却されるもので、一般に市場価格より低くなります。引渡し時期の調整や引越費用の配慮も、任意売却のほうが行いやすくなります。
- 滞納していなくても相談できますか?
- できます。むしろ滞納前のほうが選べる手段は多く残っています。滞納が続くと期限の利益を喪失し、競売手続きが進むため、動ける範囲が狭まります。
- 任意売却するとローンの残りはどうなりますか?
- 売却額で返しきれなかった残債は原則として残ります。ただし債権者との協議により、収入に応じた分割返済に切り替えられる場合があります。競売より高く売れれば残債自体が小さくなります。
- 家族や近所に知られずに進められますか?
- 任意売却は通常の売買として扱われるため、競売のように物件情報が公告されることはありません。買取であれば広告を出さずに取引できるため、周囲に知られにくくなります。